雨もまた よし
梅雨の合間というのは普通晴れだ。しかし、昨日は晴れていたのでその合間は雨ということになる。見方、認識のしようによって全く逆転してしまう。それは個人の認識の世界。だから、梅雨の合間の雨もまたよし。
昨夜は中川で食事をすませた。いつもの黎明を二合ほど開けてほろ酔い気分で艇に帰る。まだ、2000。艇のデッキで湾内の夜景を肴にジントニックをやっていた。西風が背中からへその先まで吹き渡る。ジンで体の内側から暖めているものの、たまらなくなり、トレーナーを羽織る。そのうちに強力な睡魔に耐えられず艇内にて横になっていると、そのまま気絶状態。最近はこのパターンが多い。
艇内で寝るということは巨大な海というウォーターベッドに寝ているようなものだ。ポチャポチャとハルをたたく水の音、かすかな艇の動揺などが、ゆりかごみたいなところがあると思うのだ。ずいぶん大きな赤ん坊であるが...
しばらく寝ていると、いつものとおり、引き波でこれでもかという位に左右上下に体を揺るられて目が覚める。あぁ、釣り船の出航だ。寝ぼけ眼で0300であると考える。あ~っ寒ぅっ!水の上は涼しい。時計は見なくてもわかる。0300なのだ。まだ、寝れる。しならくしてハルをたたく雨音。降ってきたな 雨音 これもよし。普段マンションの高層階にいると何も聞こえない。雨が降っているか否かは、視認しないとわからない。薄暮におけるタンタンタンという水滴の落下音はなんともいえないやさしさだ。落下してくる水滴の大きさの違いがわかるような気がする。
しかし、いかん!メインシートはセットしたままだった。今日も乗るつもりだったのだ。できれば、濡れる前にかたづけたい。やおら起き上がってコンパニオンウェイのハッチを引き開ける。大型のパワーボートは大方出航している。残るは一艇のみ。
朝食を済ませていつもの散歩に出かける。
下田公園のあじさいもそろそろ終わりだ。
雨に濡れた石畳
あじさいの回廊 独り占め
朝霧に沈む鍋田浜
雨もまたよし
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