ロビンソン・クルーソーとトム・ハンクス
ロビンソン・クルーソーを読みかえしていたら「キャストアウェイ」を思い出して思わずレンタルしてきた。
Fedexに勤める主人公のトム・ハンクスは「時間に服従しろ」が口癖であった。システムエンジニアとして世界中を飛び回っていた。配達が遅くなれば郵便と同じであり、Fedexの存在意義がなくなるからだ。そのトム・ハンクスはXマスイブの夜突然ポケベルが鳴り、飛行機に乗らなければならなくなる。車中で彼女に婚約指輪を渡して…その飛行機に乗らなければ…
その飛行機は南太平洋上で墜落してしまい、ロビンソン・クルーソーと同様に絶海の孤島にひとりぼっちに。しかも、条件はロビンソン・クルーソーより遥かに劣悪だ。ロビンソン・クルーソーは難破した船が近くに流れ着いたために、食料、飲み物、銃、弾薬、火薬、大工道具、材料など生存に必要なものはある程度船から運び上げることができたのである。それに引き替え気の毒なのはナイフと靴さえ持たないトム・ハンクス。そもそも、飛行機内にナイフや銃は持ち込めない。17世紀の帆船の航海は自然との闘いに加えて海賊もいたし、万全な装備で出港した。それに対して航空機は落ちたらおしまいで、CASTAWAYになることなど想定もしていない。航空会社にしてみると想定したくないということだろうか。コストアップ要因となるから。
船に乗る立場としては安全装備の充実を図ることはいうまでもない。しかし、心配をすれば切りがないのも事実。当面マリンVHFの資格取得ならびに設置、落雷対策、補助ラダーの用意などか。ひとつずつでも計画的に用意していこう。
CAST AWAYは辞書を引いてみると「漂流者」という意味があった。私は「投げ捨てる」ということかと思っていた。ほとんど同じ意味ではないだろうか。自分を投げ捨てるのは他人なのか、自分なのか。漂流者にはなりたくないものだ。
トム・ハンクスはなんとかアメリカに帰国する。しかし、彼女はトム・ハンクスをすでに死んだものとして結婚し、子供までいる。もし、あの飛行機に乗らなかったら…
ラストシーンでは島から持ち帰った荷物を5年ぶりに受取人に配達した後に、田舎の十字路に立って地図を見ていた。これはこれから新たな一歩を踏み出そうとするアメリカ人流の意思表示の現れである。
(追伸)
記憶に新しいが、Fedexは2009年3月23日に成田空港でFedex80便が着陸に失敗し、搭乗員2名が不幸にも死亡している。これは成田開港以来初めての死亡事故だそうだ。(事故映像)MD11という機種は古い機種だが、主翼が小さく操縦が難しいらしい。トム・ハンクスが載った機がMD11であるか否かは確認できない。
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