春の息吹が薫るこの2月から5月は、思いっきり深呼吸をしたくなるところだが、花粉症の私はそんなことをしたら大変だ。この杉花粉アレルギーとのつきあいも30年近くになるが、いつまでたっても杉花粉と仲良くなれる兆しはない。
そこで、その杉花粉と私との仲介役である抗アレルギー剤を定期的に処方してもらっている。しかし、今朝、私の命綱である抗アレルギー剤の最後の一錠を飲んでしまった。そこでやむなく病院に赴き、処方箋をもらい、薬局へと出向いた。
薬局に入ると、処方箋を係の人に渡して番号札を取り、しばらく待つ。自分の番号がよばれたので女性の薬剤師の方の立つカウンターへ行ってみる。そこに広げられているのはいつもの抗アレルギー剤。
何の気なしに薬剤師に聞いてみた。「この抗アレルギー剤にジェネリック薬品はあるのですか?」と。するとなんと、薬剤師は「あります。在庫があるか確認してみます。」と言ってくれたのだ。
待つことしばし。
それから薬剤師の方は親切に説明してくれた。「製品別比較表(標準品との比較)」というシートで説明を受けた。そんな説明用の資料まできちんと用意されているのだ。
結論から言うと、効果は同じで値段は半分以下であるということだ。今まで購入していた標準品は182.10円/錠であるのに対してジェネリック薬品は71.30円ということだった。
当然、総額も自己負担も半額以下。私は薬剤師の方にお礼を言った。でも、薬局にとっては、ジェネリックだと売り上げと利益は下がるかもしれない。結果として、この薬局と薬剤師の方の対応は真摯であり、感じがよかった。
なぜ、医師は標準品をすすめるのか、薬局はジェネリックを薦めないのか。その理由は聞かなくてもわかるような気がする。
しかし、Webでさらに調べて見ると、もっと安いジェネリック薬品もあった。ものの性格からして安ければよいというものではないが、逆に高ければ安心というものでもない。
いずれにしても、消費者としては自分の購入する商品・サービスについて売り手の言い分を鵜呑みにしない方がよい。難しいことや、慣れていないことに関しても相手に他の選択肢の存否を確認し、他の選択肢があるのであれば、自分にとってのメリデメのアドバイスを受けるべきである。その上で自分の選択をする。
今回の薬剤師の方は見事に私のニーズに応えてくれた。欲を言うと、ジェネリック薬品の存在を自ら提案してほしいところだが、何かそうさせない力が働いていたのだろう。
個人的にはそのようにしたかったような雰囲気が見えたが...
でも私には今日の経験は十分に楽しかった。
「おかげさまで勉強になりました。」と頭を下げて薬局を後にしたのだから。
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