目的はリピートする顧客
久しぶりにマイカーのメンテナンスをした。
洗車をして、ワックスを掛け、オイルを入れ替えた。
まず、洗車場を探す。前から気になっていた手洗い洗車のアーブルに行ってみた。
水洗いで1,300円。実に丁寧に洗ってくれた。フロアマット洗いは室内清掃を頼んだ時だけらしかったが、いやな顔せずにサービスでやってくれた。
顧客からの様々な要望に対してどのように対処するか、ルールがきっちりと決まっているようだった。
この店には喫茶店が併設されており、デッキもしくは室内でお茶をしながら待つことができる。多くの顧客が何らかの注文をしており、喫茶からの収入とどちらが多いのかわからない。
結果として、これだけきっちりと洗車をしてくれるのであれば、私はリピーターになると思う。その際には本持参で、デッキでお茶をしながら待っているのもいいだろう。
最近は何が主力商品・サービスで、何が付属的なものかがわかりにくくなって来ている。しかし、よく考えると、何がメインでもいいのであろう。お客様が喜んで来てくれるのであれば。
次にオイルを交換すべく、近くのSS カーステーション新百合ヶ丘店に寄ってみた。外に立っていた店の人にオイル交換の可否と価格を聞くと、会員になればオイル交換は2回まで無料だという。 えっ!とばかりに詳細を聞くことになる。年会費3,150円でVIP会員になると、オイル交換が2回まで無料でできるという。これだけでも入会して損はない。
ここは、SS&カーコンビニ倶楽部の複合店舗であるが、そのVIP会員制度は同社独自のもののようだ。会員になると、ガソリンが割引になるのは当然だが、車検予約、車検実施、鈑金修理、車の売買などをすると、すべてガソリン価格に割引がそれぞれ適用される。車に関することはなんでもここに集中すると、ガソリンが安くなる仕組みだ。
フリークエントサービスのもっともポピュラーなのはマイルだが、こちらのVIP会員も同じ仕組みだ。それが、システム化されている。そのシステム化は会員になると渡される「VIP PASSPORT」。ここに割引券と取引経緯が記録されて、結果が反映していくらしい。
店内にはVIP会員のみと断って、ミネラルウォーターとコーヒーをフリーでサービスしていた。これを見るだけでもお客さんはVIP会員になるだろう。
店の人の対応もきっちりしていて好感が持てた。問題は競合が同じようなフリークエントサービスを導入した場合にサービス競争に陥ることだが、この近辺はSSが少なく(1店は昨年撤退、もう1店はセルフ給油のみ)、このように大規模に展開できる余地は小さいのだろう。エリアで一人勝ちできる可能性がある。
代表的なコモデティを扱うSS業界において、メイン商品の位置づけを変えて事業の定義を拡大したケースだと思う。トランザクションで稼ぐのではなく、継続的な取引から収益を上げようとする真摯なスタンスが伝わってくる。成功してもらいたいと思う。
店の人は最後までガソリンは?とは言わなかった。
しかし、私はガソリンも満タンにして帰った。
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