厚生労働省の村木厚子元局長が無実の罪で拘留されていた事件は検察のあり方を含めて大きな社会的な問題となりました。その村木厚子さんが拘置所に拘留中に読まれた本のタイトルが日経WOMANに紹介されていました。無実の罪で5ヶ月間も拘置されている間にどのような本を選択するのかと興味をそそられます。
その150冊の中で、本人が「一日一生」に助けられたとコメントされていたので、読んでみました。著者は天台宗の大阿闍梨の酒井雄哉さん。
「一日一生」のつもりで暮らしたらどうなるでしょうか?今日中に最もやりたかったことをするでしょう。でも、はたして何を最もやりたかったのでしょうか。
普段は、今日じゃなくてもいいと思います。まだ、明日があると思っているので。
一方、「一日一生」は毎日を期限にします。それは非常に堅苦しい生活になるような気がしますね。
しかし、実は明日もまた生まれてくる(可能性が高い)。
だから、昨日は昨日。今日は今日。明日は明日。
一日にアクセントを置いて生きる。シンプルでいいかもしれません。酒井氏は身の丈にあったことを自分に忠実に毎日繰り返すことの大事さを説いています。
私は90歳まで生きるとすればあと1万4千回生きられることになります。
1万4千回で何をするか...
また、村木さんはヴィクトール・フランクルの「夜と霧」も読んでいます。この著者はユダヤ人でナチスの強制収容所から奇跡的に生還した話です。拘置所と収容所は似て非なるところですが、無実の罪を着せられようとされている人が読んだらどのように感じたのでしょうか。
村木厚子さんはえん罪が晴れてよかったというものの、誰にだって何が起こるかわからない世の中です。
だからこそ、万一の際に自分の生き方というものが必要になってくるのでしょう。
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