”コロンブスはスペイン国王と女王に世界は丸いと報告し、それを初めて発見した人物として、歴史に名をとどめている。私は帰国して自分の発見を妻だけに、それもささやき声で伝えた。「ねえ、きみ」こっそり打ち明けた。「世界はフラットなんだ。」”
働き方を改めて問うている。
フラット化したとフリードマンのいう世界はパソコンの登場とベルリンの壁の崩壊(11.9)ならびにインターネットとブロードバンドの進展により、仕事のルールが大幅に変わっていることを時系列に教えてくれる。
11.9が大量の新規労働者を生み出し、インターネットとブロードバンドの進展が世界の距離を事実上なくしてしまった。中国人、インド人、ロシア人は見えはしないが、すぐそこまで来ている。ルールが変わっているにもかかわらず、従来のルールで働き続けることに対して警弔を鳴らす。
ひとつひとつの事象は知ってはいたが、縦に並べて整理すると、そういうことだったのかと納得。あたり前の話でわかっていると思っていたが、改めてアウトソーシングされるような平凡な仕事はなくなるということがよく理解できる。
しかし、人間は弱い。わかっているけどできない。まだ大丈夫だろうと環境の変化のスピードを甘くみてしまう。あるいは自分を無理矢理納得させてしまうのがうまい。
繊維産業を皮切りとして、あらゆる産業の工場が中国、ベトナムに移転してしまった。コールセンターも同様だ。大連で日本語の堪能な中国人が流ちょうに対応している。まだ、日本は「日本語」と移民の受け入れをしていないために参入障壁は高いといえよう。しかし、参入障壁の高さは我々を井戸の中の蛙とし、結果としてゆでガエルとしてしまう可能性を秘めている。
デジタル化、オートメーション化可能な仕事はアウトソーシングされやすい。何かに特化する(専門性の高さ)か、ある地域に根を張っているかどちらかになっている必要がある。
いろいろな選択肢があると思うが、ポイントは指揮・統制から共同・接続へ。フラット化した世界の新たなルールの中核は水平分業。分業も企業、業種、国家を跨いだ分業である。
新たなルールで競技するにはそれに適した仕事の仕方を選択しなければならない。
11.9(1989)ベルリンの壁崩壊
9.11(2001)の逆
1989年11月9日 ベルリンの壁が崩壊し、東西を隔てていた隔壁が消滅した。その結果、ロシア、中国、インドなどの労働人口30億人が西側文明になだれこんできた。それまで西側の労働人口は25億人
三重の収束
PCの出現、インターネットとブロードバンドの登場により新たなプラットフォームができた。これが第一の収束。
第二の収束は新たなプラットフォームの出現により顧客を取り込んだプロセスの「水平化」が発生し、時間はかかったが、その新たなビジネスシステムに適合したこと。
第三の収束は、上記の11.9により自由になり、豊かになりたい30億人の乱入である。貧しかった彼らは必死になって勉強し、働く。
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